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はじめましてヒデローです。バブルを逃したベビーブーマー後期組。40代独身の等身大な毎日を書いたブログです。

40代、キャンバス・スニーカーのすすめ【仏:Spring Court】

夏です。

f:id:donut7inch:20190526172618j:plainPhoto by Yurii Hlei from Pexels


夏といえば、やはりスニーカー。特にキャンバス地のスニーカーが欲しくなるのは、ポカリスエットのCMで、織田哲郎の歌声とともに一色紗英が履いていたデッキシューズのイメージが強いからでしょう(僕だけ?)。可愛かったなあ。


(このバージョンは曲がDeenですが)

でも40歳でデッキシューズとなると、ちょっと…。いやね、サラッと履きこなせるお洒落上級者はいいんですよ。問題は、スニーカーの個性だけでなんとかお洒落度をアップさせたいという、僕のような他力本願型の人間には、ちょっと難易度が高いわけです。

 

じゃあってわけで一時期良くはいていたのが、コンバースジャックパーセル。作家の村上春樹や死んじゃったカート・コバーンが愛用していたりと、僕ら世代には馴染みの深いスニーカーです。コンバース・オールスターに比べて大人しい外観と微妙に柔らかい履き心地が、大人になりきれない僕の気分にもあっていたんだと思います(いまでも「大人?」と訊かれると目が泳いてしまいますが)。特に20代後半から30代中盤までは、家に新品を1足ストックしておくくらい愛用していました。

でも、長い間はいている人なら誰しも陥る、「ハイカット憧れ症候群」。ティーンの頃にオールスターのハイカットに親しんだ世代にとっては、どうしても伴う原点回帰、あるいは逃れられない青春の幻影。それがハイカットなのです。

当時はキャンバススニーカーのリバイバル円高も関係しているかもしれません)で、イタリアのSuperga(スーペルガ)やドイツのmöbus(モーブス)等、外国のスニーカーが多く出回っていました。でもハイカット、あるいはミッドカットの展開は見られず(その頃はまだジャックパーセルのハイカットもなかった気がします)。そしてようやくたどり着いたのが、ファッションとヘリクツ合理主義の国(敬意ですよ)、フランスの“Spring Court(スプリングコート)“でした。

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フランスと言って真っ先に思い浮かぶのは、やはりルノープジョー、そしてシトロエンのフレンチ・カー(僕だけ?)。今はちょっと変わってきていますが、ソファの様なシートや、猫足、あるいは魔法の絨毯と称えられる柔らかな足回りのクルマがお好きなお国柄です。当然、スニーカーもその路線で攻めてくるわけです。

取り外し可能で、他国のローテクスニーカーの中では群を抜く履き心地のインナーソール。底面のラバーと相まって、ラテックスとまではいかないまでも絶妙に柔らかい感触。ドクター中松的ではない、優しくオーガニックな ”スプリング” 感とでももうしましょうか。個人的キャンバススニーカー史上、最高の履き心地です。最初はステップを踏む気持ち良さが楽しくて、会社にまで履いていってました。

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バルカナイズド製法だの、手縫いだの、難しい(?)ウンチクもさることながら、僕が気に入っているのはこのインナーソール。これが履き心地を担っているキモなのですが、なんとミントの香りがします!脱いだときはもちろん、履いているときも微かに香ります。確かにコンバースは脱いだときはもちろん、履いているときもゴムの匂いがキツいですからね。ラバーソールに対するフランスなりの回答なのでしょう。稚拙だけど可愛らしいラテンな発想が、重苦しい中年の心に春のような弾みを与えてくれる、ってことはないけど、まあ許せちゃうわけです。

ここで裏技を一つ。これは誰にでも勧められるわけではありませんが、僕はワンサイズ大きめを買って、すぐに洗濯機でよく洗って縮ませています。すると生地が柔らかくなって、紐で縛り上げたときに柔らかく包み込まれる感覚が増すんです。できれば厚手のソックスを合わせると尚良し。但し、疲れにくいとか歩きやすいとか、そういうのはありません。ただ気持ち良いだけで人によっては靴ズレの可能性もあるので、自己責任でお願いします。僕はもう4足目ですが、ずっとこれで履いてます。

チノパンにスタンスミスやニューバランスも確かに良いですが、それに比べて街で余り見かけないスプリングコート。真っ白なコイツで、女性ならジェーン・バーキン、男性ならジョン・レノンを気取ってみては?