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はじめましてヒデローです。バブルを逃したベビーブーマー後期組。40代独身の等身大な毎日を書いたブログです。

【オシャレだけど】大人こそハンドシフト・ベスパに乗って欲しい!【実は男臭い】

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ついにその生涯を終えた通称「ハンドシフト・ベスパ」。

 

スチールボディゆえ壊れたり錆びたりするイメージが強い(まあ、その通りですが)ですが、実際に所有してみると意外とメンテナンス性も良く、タフなのも魅力。

 

状態の良い中古がまだなんとか手に入る今、購入を検討している人も多いと思います(僕の希望的観測?)ので、実際のところどうなの?についてお答えしたいと思います。

 

 

運転しにくいんじゃない?

ベスパの操作系で特徴的なのは、左手で行う「ハンドシフト」と「後輪主体のブレーキング」の2つでしょう。

 

「ハンドシフト」とは、シフトチェンジの際、クラッチを握り、そのままクラッチレバーごとグリップを捻ってギアを選ぶ仕組みをいいます。


ギアの並び自体は普通のバイクと同じく 1st - N - 2nd -3rd - 4th という並びです。
クラッチ付きのバイクに乗られていた方なら特に問題なく乗りこなせると思いますが、オートマのスクーターしか乗ったことの無い人や手の小さい女性は、一度試乗してみることをオススメします。その場合、握りが軽く、指も届きやすいクラッチレバーもありますのでご安心を。

 

「後輪主体のブレーキング」ですが、言い換えればフロントブレーキは効かない、ってことです。その分後輪の効きはかなり強めで、軽い車体と後輪荷重が相まって、雑に踏むとすぐにロックします(効かないのは壊れてます)。乗り慣れた方はフロア真ん中の出っ張りに右足の踵を置き、つま先でブレーキペダルを踏むことで強さを調整しています。

遅いんでしょう?

遅いです。

200ccでもカブ110より遅いです。時速100kmも出すと、激しい振動と接地感の無さで、ずーっと「○ンさむロード」状態です(下品でゴメンナサイ)。路上では「俺は本気出してないだけ」な表情を絶やさないようにしないと、自分の自尊心が危ういくらい。でもトルクはあるので坂道はグイグイ登ります。まあ、なんだかんだで普通に流れには乗れるので安心してください。

すぐ壊れるでしょう?

ちゃんと整備してあれば(コレ、もの凄く重要です)、かなりタフです。もともと日本のカブと同じ実用車ですので、変に身構える必要はないのではないでしょうか。消耗品の交換サイクルは早めです。


キチンとした専門店で購入しさえすれば、あとは定期的にワイヤー類を調整・交換し、ギアオイルを換えてやることで、ちょっとやそっとじゃ壊れません。もちろん、雑なクラッチワークや過度のエンブレは禁物。


心配な方は念のため、1年に一度くらいお店で点検して貰えば十分でしょう。慣れれば、自分でも簡単な整備は出来るようになりますよ(必要に迫られて)。

白煙でモクモクなんでしょう?

ベスパのような2ストロークエンジンは、ガソリンに2ストオイルを混ぜて給油します。この時に合わない2ストオイルをいれると、走行時に白煙を吐きます。最近ではほとんど2ストローク車は見かけないので、白い煙をモクモクさせていると目立って恥ずかしいことこの上ないでしょう。


僕の浅い経験だと、AMALIE、ヤマハの通称「青缶」はほとんど気にならない程度でした。それでも、エンジンやキャブの調子が悪いと白くなることもあるので、その場合はショップに相談してみてください。


2ストオイルもそれなりに進化していて、昔の煙幕みたいな白煙はどのオイルでも出ないと思うので、多分大丈夫だと思いますが。

維持って大変?パーツはどこで買うの?

パーツ代は安いです。日本なら宇賀神商會さんBENEさんの通販でほとんど揃うので安心。フレームとクランクケース意外は全て揃うと言っても差し支えないでしょう。ドイツのS.I.Pってスクーター専門店を利用する人も多いです。

 

問題があるとすれば、ベスパを弄れるバイク屋さんが少ないこと。基本的にシンプルな構造のベスパですが、特有の”クセというか”コツ”が要る箇所があったりして、普通のバイクのように考えてると、思わず不具合が出ることがああります。

 

なので、もし近くにそういった店が無い場合は、信頼の置けそうなベスパ専門店から整備済みで購入してください。あとは自分でなんとかしましょう。キチンとしたところで購入すれば、電話やメールでアドバイスも貰えると思いますし、先に言ったように構造はシンプルなので、道具とヘインズ等の資料さえあれば、なんとかなりますよ。インターネッツには沢山の実例がありますし。


専門店の中古車は高く感じますが、エンジンやキャブのOHやワイヤー交換、場合によってはハーネスも引き直してあったりと、かなりしっかり納車整備しているところが多いです。一通りメンテが出来るようになると、寧ろ安いと思えるくらいの値段ですので、初心者の人は間違っても値段だけでオークション物に手を出すようなことはしないでください。

オススメのモデルは?

パーツの入手や情報の多さ、中古車の状態から言うと、日本で売られていたビンテージシリーズか、もしくはP、PXあたりが良いと思います。

 

ビンテージシリーズはいわゆる「ベスパらしい」外観のスモールボディというタイプ。すでに本国イタリアでは生産終了していたのを、当時代理店だった成川商会が日本のためにポンテデラの歳老いた職人に鞭打って作らせた逸品。今では海外からも注目される貴重なベスパ達です。

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排気量は50cc、100cc、125cc があります。個人的には扱いやすく、スピードもそこそこ出る125cc の ET3 がおすすめです。CDI点火なのでポイント調整も不要です。

P や PX はラージボディとよばれるタイプで、車体が一回り大きく、見た目がちょっとカクカクしてます。つい最近まで製造していたのもこのシリーズ。ビンテージシリーズが古いFiat500なら、こっちは古いFiat Panda とデザイン傾向が似ている気がするのは僕だけでしょうか。

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1990年頃以降のCOSAクラッチと呼ばれる4枚板のものは、レバーの握りが軽いので女の人にもオススメです(耐久性を問題視する人もいますが、僕は気になりませんでした)。

 

あとPXはセルスターターも付いていてます。


気軽に乗れる大人のスクーター、ベスパ

ベスパの良いところは、気負うことなく気軽に乗れるところでしょう。


アチェンジの楽しさや、小気味よい2ストサウンド。運転する楽しさがぎゅっと詰まっています。それでいて小粋なデザインは、いつまでも眺めていたいほど愛らしいのですから、ちょっと手こずるくらい、ご褒美みたいなもんです。


ここでは敢えて触れませんでしたが、もっと先には“オールド・ベスパ“という深い深い沼が広がっていますので、一生楽しめる(苦悩する?)趣味としては悪くないかも知れませんよ。


ベスパ―60年の軌跡