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はじめましてヒデローです。バブルを逃したベビーブーマー後期組。40代独身の等身大な毎日を書いたブログです。

【TDK】カセットテープ・ブームは、世代を繋ぐ?【Maxell】

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カセットテープ、復活!?

ちょっと前から、カセットテープが再流行している(いた?)みたいです。

先日カセットデッキが壊れたので、部品あるかな?と探していると、ラジカセブームとか、有名なアーティストがカセットでアルバムリリースした等、思わず作成年月日を確認してしまうような記事が。どうやら2014年あたりからじわじわ来てたみたいですね。なにを隠そう、僕のクルマにはカセットデッキしか付いてないので、これは朗報、と密かにほくそえんでいました。

それなら、もしかして新しい生テープ(!)も発売しているのか、と思いきや、10年前とさほど状況は変わっていませんでした。
記事では、メタルは音が良いとか、テープによって音が違うとか、音にガッツだ!石松だ!などと、ムチャクチャ煽ってくるので、「そうそう!そうなんだよ!どれどれ、ここはひとつ、ど真ん中世代が~」なんてその気になると、検索してすぐにまた、「・・・」ってなことになります(前回はこちら)。
現状、新品で買えるのはノーマルのみ。しかも日本ではmaxell1社が細々と生産を続けてるという、寂しい状況。まるで、ディズニーランドに行ったら「魅惑のチキルーム」しか稼働していなかったような、茫漠とした気持ちにさせられます。

 

渋谷系?カセットテープ、それは新しいコンテンツだった

じゃあ一体何がそんなに受けてるの?ってとこなんですが、どうやら録音メディアとしてではなく、音楽が入ったミュージックメディアとして、一部の敏感な若者に気に入られている様子。ビームスがミュージックテープを扱い、渋谷にラジカセ専門店が、中目黒にカセットテープ専門店が出来ているあたり、僕らの頃とは流通の仕方から、ターゲット層、楽しみ方まで全然違うアプローチです。もちろん、サービスエリアやホムセンのソレとは違うわけです。
ちなみに子供の頃、父親が買ってきた「宇宙戦艦ヤマト」のカセットテープ。喜んでラジカセで再生すると、歌ってる人が別人なうえに、よく見りゃ表紙も微妙な代物。“ありがとう“が喉の奥につっかえてしまって、咳をするみたいに“さようなら“って言っちゃいそうでした(Back Numberファンの皆さん、ごめんなさい)。

確かに、僕のようにカセットテープ全盛期を知っている人にはピンと来ないでしょう。小遣いが許す範囲で厳選して買ってきた生テープを、しわを伸ばしきるために一旦全再生し、終わったらヘッドを消磁、試し録音で何度もバイアスを追い込んだ後に、固唾をのんで見守るレベルメーター…。そこから聞こえるのは、テープの特性も加わって、ソースよりも自分好みの音かもしれないと思わせる陶酔のハイファイっぷり—。それが僕ら世代の”カセットテープ”でしたからね。でも、そういう中年のセンチメンタルを誘うようなギミックにスポットが当たった訳ではなかったのです。

バイアス調整より、世代間調整

でもですよ、僕らオジサンが、例えば80’s(あえてここではこの表記を使わせてください!)のオススメ曲を録音して渡してあげて、それを若い人が新しい音楽としてカセットテープで聞いてくれるって、なんか面白そうじゃないですか?まあ、好きな子に自作テープを渡した僕のような人は、やり過ぎに要注意ですが。

それに、すぐに曲を飛ばさず、全部の曲に耳を傾ける余裕が戻ってきてくれるのは、とっても喜ばしいことです。そして何より、そういうのを若い子も求めているんだな、と思うと、妙に親近感が出てますし、僕らも少し肩の力が抜けるというか、気負わなくていい、って気になりますしね。めまぐるしい文化に振り回されてばかりじゃ、皆息切れしちゃうってことでしょう。
そういう意味では、先日紹介したシティポップもそうですが、最近見かける若い子の岡村孝子永井真理子みたいな80年代ファッションも含めて、僕は80年代リバイバル、大歓迎です。活発だけど寛容だったあの時代の雰囲気が評価され、願わくばそのまま、昭和生まれのオジサンの生態にも理解が得られると・・・、それはなさそうですか。そうですね。失礼しました。